繁昌亭昼席。5月10日。こしらの集い。ライブ喫茶・亀にて  5月12日

2019年05月12日

メトロポリタンオペラ映画ワグナーのワルキューレ。5月11日、なんばパークスシネマで見る。

   メトロポリタンオペラ・ライブビューイング。ワグナーのニーベルングの指環、全4部作、トータル22時間かかる楽劇の第2部ワルキューレ。

  この映画、上映時間が5時間10分。大人料金5100円。割引全くなし。まあ、ニューヨークやウィーンに行ってオペラを見ると交通費も入れると20万円くらいかかる訳で、仕方ないか。

   夕方5時から夜10時10分まで。

   ニューヨークにあるメトロポリタンオペラの舞台をそのまま映画にして全世界に配信している。


   ワルキューレ第一幕の後半30分は、ジークムントとジークリンデ兄妹の大恋愛ドラマで、白熱した2人の愛の歌がずんずん高まってゆき、人類史上最高といっていい興奮に包まれる。これを超える感動は、世界のどこを探しても、スポーツ・演劇・小説・漫画の全てを超える、驚天動地といっていい桃源郷を心にもたらせてくれる。あらゆるジャンルを凌駕する狂熱に、心動かされるのだ。人類サイコーの興奮エンターテイメントだ。

   それくらい、すごい30分だった。なんばパークスシネマの8番ホールだったが、音響もとても良かった。正直、この30分をたっぷり味わえたので、これで5100円分の感動を体験できた、後は付け足し、くらいの気持ちになった。

   それに、ずっと思っているのだが、このワグナーのワルキューレ第一幕のすじが、明治の巨人・三遊亭円朝が創作した落語の名作・鰍沢にそっくりなのだ。傷を負った旅人が山の中の一軒家に泊めてもらうが、命を狙われて逃げてゆく・・。

    ほぼ同時代の芸術家同士、赤い糸で結ばれていて、似たドラマを思いつき、ドイツと日本のドラマツルギーをたった1人で変革してゆく。

   ワルキューレ第二幕は、ほとんど長いモノローグが続き、最後のジークムントがヴォータンの剣にやられるシーン以外は、変化が少ないのだ。ワグナーが対話のつもりで作った歌は、同じ内容の言い換えが多く、長すぎて、各人が言いたいことを独り言してるだけのシーンが続く。

    昔、黒澤明の映画・影武者が公開され、松本清張が映画のテンポが遅すぎて駄作だと批判したが、いま見ると素晴らしい傑作でテンポもいい。

    このワグナーのニーベルングの指環は、世界ナンバーワンの傑作と全世界から絶賛され今も評価は高いままだが、松本清張にこのワグナーのオペラを見せてやりたい。テンポがのろくて、同じ話をくどくどと語り、話が前に進まない。でも、このオペラは、出来て150年もたっているが今だ世界中で傑作だと言われている。つまり、松本清張がいわゆるアートを知らない井の中の蛙だという事。

   ワルキューレ第3幕は、ヴォータンと彼を裏切った娘ブリュンヒルデの2人の対話で、最後まで終始する。2人の対話ばかりで、1時間40分だ。

   私が尊敬するイタリア歌劇の巨人ヴェルディなら、2人の対話を5分で処理して、ドラマをどんどん前に進めシェイクスピア的な人間悲劇を創り出しただろう。間違いなく!

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imayan0714 at 12:25│Comments(0)オペラ 

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繁昌亭昼席。5月10日。こしらの集い。ライブ喫茶・亀にて  5月12日