オペラ

2019年06月25日

6月15日・土曜に、ロンドンロイヤルオペラの、ライブビューイング「ファウスト」を見た。

ロンドンオペラ・ライブビューイングの2018〜19の今季の最後のオペラ。

これでオペラシーズンが終わり、今年秋からの次期シーズンを待たないといけない。サッカーのシーズンと同じだ。


フランスの作曲家グノーが1858年に、ゲーテの傑作ファウストをオペラ化したものである。

明治維新の10年前に出来たオペラ。

パリのリリック座で初演され、10年間で306回も上演され続けた。 

ロンドンのコベントガーデンでは、1863年から50年間、毎シーズン上演された。

ニューヨーク・メトロポリタン歌劇場のこけら落としで上演されたのも、グノーのファウストだった。

それほどヨーロッパ中で、大人気になったオペラなのだ。


とにかく、名曲がたくさん含まれていて、口ずさみたくなる。それも甘い名曲が多く、女性に人気があるのも当然だ。

耳に心地いいメロディにあふれている。

フランスの作曲家らしく、曲が盛り上がっても品良く、爆発することがない。

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2019年06月12日

オペラ・カルメル会修道女の対話。なんばパークスシネマで、6月8日に見た。

フランスの作曲家プーランクのオペラ。

メトロポリタンオペラ・ライブビューイングの、今年度最後に上映されるオペラである。


フランス革命時の修道院。貴族の娘ブランシュは、傷つきやすい気性の娘で、革命に浮かれる群衆が怖くなり、修道院に入る。そこには明るい性格の修道女コンスタンスがいて、ある日、同じ日にブランシュと死ぬ夢を見る。

革命政府からミサ禁止の命令がおり、修道院に突入してきた群衆が、修道院の建物を接収。そこで、修道女みんなが殉教すべきか投票し、コンスタンスひとり反対票を入れるが、殉教が決まる。ブランシュは恐くて逃げ出し、自宅のメイドをして暮らす。

革命広場。聖歌サルヴェレジーナを歌いながら、一人づつ歩みギロチンにかけられる。最後の一人、コンスタンスが、処刑台に立った時、そこにブランシュが現れ、聖歌を歌いながら、最後の人としてギロチンにかけられる。


ギロチンにかけられる時に、サルヴェレジーナが流れる中、ギロチンが落ちる大きなリアルな音が響き渡り、観客の心を凍らせる効果が、絶大だ!!悲愴な幕切れ。ドラマチック。


音楽のピークは、修道院長がガンで死ぬ時に、死を恐れ神の存在に疑問をいだきながら死んで行くところ。絶望を音楽にしたら、こうなる、と信じさせる叫びだった。


私の大好きな作曲家プーランクは、フランス6人組の1人。都会人のパリっ子で、軽妙洒脱な曲を作る。サティを引継ぎ、ユーモアとエスプリにあふらた作曲家で、私はサティより高く評価する。

ガキ大将と聖職者が同居していると言われている。


私の大学時代に、NHKFMを聞いていて、とても軽快で心踊る曲を聞き、調べたら、プーランクのフルートソナタだった。以来、私の大愛好曲になり、何かあると聴いている。


プーランクは両性愛者で、三島由紀夫が愛したラディゲを恋人にしていた。


カルメル会修道女の対話は、1957年にミラノ、パリで初演。現代フランスオペラの最高傑作と呼ばれる。ドイツ・カトリック女流作家ルフォールの小説、断頭台下の最後の女、が原作。カトリック文学の巨匠ベルナノスが映画シナリオにしたが、書き上げた後にガンで死に、死後、彼の書斎で発見された。それをプーランクが読み、オペラに仕上げた。

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2019年05月26日

ライブビューイング・オペラ、運命の力。大阪ステーションシネマで、5月25日に見た。

ロンドンのロイヤル・オペラハウス、通称コベントガーデンで、今年4月2日に上演されたオペラを映画にしたもの。


ベルディ中期後半の成熟期の傑作だが、上演が少ないオペラ。

ベルディの大作なので、映画の時間がなんと4時間20分。チケットは、5000円。ワグナーのワルキューレと同じだ。でも、ベルディらしく、ストーリーがどんどん進行するので、短く感じる。


また、この頃は、イギリスのEU離脱で大混乱していた時期にもかかわらず、こんな世界的話題の舞台をロンドンのど真ん中で披露するって、さすが余裕があって、女王エリザベスの国だなと感心する。


いま世界のオペラシーンの2大歌手、主役レオノーラのソプラノ、アンナ・ネトレプコとその恋人役ヨナス・カウフマンが配役されていて、世界的な注目を浴びたオペラ公演。チケットもすぐ売り切れた。


テノールのカウフマンは、もはや頂点のプラシド・ドミンゴ的存在で、声質・風貌も似ている。

ネトレプコは、ソプラノの女王。そんな2人の共演なので、オペラファンが見ないわけにいかない。


超有名な序曲を始め、知られているメロディや曲が多くて、飽きることはなかった。


でも、なぜ上演が少ないのか。今回、見て分かった。あらすじが現代から見て、納得しにくい点が多いのだ。

1番の問題点は、レオノーラの兄ドン・カルロの復讐心に燃える性格だ。現代人には理解できず、ひとかけらも共感できないのだ。


レオノーラの恋人を嫌う父親に、歯向かわない姿勢を見せるため、恋人が拳銃を捨てるのだが、その拳銃が暴発して父親に命中して死亡させる。

ドン・カルロは、そんな父親を殺した恋人とレオノーラに復讐するため、2人の命を狙って付け回すのだ。拳銃の暴発は事故だし、妹の命まで狙うのは信じられない。復讐心が異常すぎて、冷めてしまうのだ。


でも、曲はサイコー。ネトレプコとカウフマンの配役もサイコー。指揮のパッパーノも、サイコー。

パッパーノによるベルディの音楽の解説は、情熱的でバーンスタインっぽく、素敵だ。

音楽的には、すごく楽しめた4時間強だった。

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2019年05月12日

メトロポリタンオペラ映画ワグナーのワルキューレ。5月11日、なんばパークスシネマで見る。

   メトロポリタンオペラ・ライブビューイング。ワグナーのニーベルングの指環、全4部作、トータル22時間かかる楽劇の第2部ワルキューレ。

  この映画、上映時間が5時間10分。大人料金5100円。割引全くなし。まあ、ニューヨークやウィーンに行ってオペラを見ると交通費も入れると20万円くらいかかる訳で、仕方ないか。

   夕方5時から夜10時10分まで。

   ニューヨークにあるメトロポリタンオペラの舞台をそのまま映画にして全世界に配信している。


   ワルキューレ第一幕の後半30分は、ジークムントとジークリンデ兄妹の大恋愛ドラマで、白熱した2人の愛の歌がずんずん高まってゆき、人類史上最高といっていい興奮に包まれる。これを超える感動は、世界のどこを探しても、スポーツ・演劇・小説・漫画の全てを超える、驚天動地といっていい桃源郷を心にもたらせてくれる。あらゆるジャンルを凌駕する狂熱に、心動かされるのだ。人類サイコーの興奮エンターテイメントだ。

   それくらい、すごい30分だった。なんばパークスシネマの8番ホールだったが、音響もとても良かった。正直、この30分をたっぷり味わえたので、これで5100円分の感動を体験できた、後は付け足し、くらいの気持ちになった。

   それに、ずっと思っているのだが、このワグナーのワルキューレ第一幕のすじが、明治の巨人・三遊亭円朝が創作した落語の名作・鰍沢にそっくりなのだ。傷を負った旅人が山の中の一軒家に泊めてもらうが、命を狙われて逃げてゆく・・。

    ほぼ同時代の芸術家同士、赤い糸で結ばれていて、似たドラマを思いつき、ドイツと日本のドラマツルギーをたった1人で変革してゆく。

   ワルキューレ第二幕は、ほとんど長いモノローグが続き、最後のジークムントがヴォータンの剣にやられるシーン以外は、変化が少ないのだ。ワグナーが対話のつもりで作った歌は、同じ内容の言い換えが多く、長すぎて、各人が言いたいことを独り言してるだけのシーンが続く。

    昔、黒澤明の映画・影武者が公開され、松本清張が映画のテンポが遅すぎて駄作だと批判したが、いま見ると素晴らしい傑作でテンポもいい。

    このワグナーのニーベルングの指環は、世界ナンバーワンの傑作と全世界から絶賛され今も評価は高いままだが、松本清張にこのワグナーのオペラを見せてやりたい。テンポがのろくて、同じ話をくどくどと語り、話が前に進まない。でも、このオペラは、出来て150年もたっているが今だ世界中で傑作だと言われている。つまり、松本清張がいわゆるアートを知らない井の中の蛙だという事。

   ワルキューレ第3幕は、ヴォータンと彼を裏切った娘ブリュンヒルデの2人の対話で、最後まで終始する。2人の対話ばかりで、1時間40分だ。

   私が尊敬するイタリア歌劇の巨人ヴェルディなら、2人の対話を5分で処理して、ドラマをどんどん前に進めシェイクスピア的な人間悲劇を創り出しただろう。間違いなく!

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2019年04月29日

大阪ステーションシネマで見た英国ロイヤルオペラのリスト

バレエは、チャイコフスキー「くるみ割り人形」を見ただけ。
やはり、声のないバレエは、一番大切なものが抜けているように感じてならない。

●英国ロイヤルオペラ2017年~18年シーズンに、見た演目
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モーツァルト「魔笛」

プッチーニ「ラ・ボエーム」

ベルディ「リゴレット」

プッチーニ「トスカ」

ビゼー「カルメン」

ベルディ「マクベス」

 

 

 

 

●英国ロイヤルオペラ2018年~19年シーズンに見た演目------

ワグナー「ワルキューレ」シュテンメ
チャイコフスキー「くるみ割り人形」バレエ

チャイコフスキー「スペードの女王」ヴェストブルック

ベルディ「椿姫」ドミンゴ

 

これから〜〜〜〜

ベルディ「運命の力」ネトレプコ、カウフマン

グノー「ファウスト」ダムラウ、ファビアーノ



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なんばパークスシネマで見たMETオペラリストです。

昨年度シーズン(MET2018~19)と今年度シーズン(MET2017~18)に見たオペラ・リストです。

🔴
メトロポリタンオペラ・ライブビューイングMET2017~18   に見た演目。

ベッリーニ「ノルマ」

モーツァルト「魔笛」

プッチーニ「トスカ」オポライス

ドニゼッティ「愛の妙薬」ポレンザーニ

プッチーニ「ラ・ボエーム」ヨンチェヴァ

ロッシーニ「セミラーミデ」

モーツァルト「コジ・ファン・トゥッテ」

ベルディ「ルイザ・ミラー」ヨンチェヴァ、ドミンゴ

マスネ「サンドリヨン~シンデレラ」ディドナート

 

🔴メトロポリタンオペラの今シーズンMET2018~19  に見た演目

ベルディ「アイーダ」ネトレプコ

サンサーンス「サムソンとデリラ」ガランチャ

プッチーニ「西部の娘」ヴェストブルック、カウフマン

ベルディ「椿姫」ダムラウ、フローレス

チレア「アドリアーナ・ルクブルール」ネトレプコ、ベチャワ

ビゼー「カルメン」アラーニャ

ドニゼッティ「連帯の娘」カマレナ

 

これから〜〜〜〜

ワグナー「ワルキューレ」ヴェストブルック

プーランク「カルメル会修道女の対話」マッティラ、ピエチョンカ



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